№8.遺産分割協議の実施!正しい進め方と注意点を徹底解説!

query_builder 2025/05/05
遺産分割 相続手続き(基本・相続後すぐ)
№8.遺産分割協議の実施!正しい進め方と注意点を徹底解説!

親が亡くなり、残された財産を相続する立場になったとき、多くの方が直面するのが「遺産分割協議」という手続きです。「誰が何をどれだけ相続するか」を決める大切な話し合いですが、法律や税金、書類など専門的な知識が求められる場面も多く、兄弟間でのトラブルに発展するケースも少なくありません。

 

そこで今回の記事では、遺産分割協議に関して、「協議の目的」や「参加者の範囲」、「協議の進め方」、「注意点」等を網羅的に解説します。

相続の手続きを円滑に進め、家族の関係を守るために、ぜひ最後までお読みください。

 

<遺産分割協議の実施>における手続きのポイント> 

いつまで

3カ月以内

どこで

法定相続人との間で


1.遺産分割協議とは?


遺産分割協議とは、亡くなった人(被相続人)の遺産を、相続人同士でどのように分けるのかを話し合い、合意を形成するための手続きです。

 

はじめに、遺産分割協議について、「目的」や「遺言書の有無による要否の違い」、「法定相続人と協議の関係性」などを解説します。


(1)遺産分割協議と目的

民法では、相続財産は法定相続分に従って分けることが原則とされていますが、実際の相続では、遺産の種類(不動産、預金、有価証券など)や相続人の事情を考慮して、柔軟な分配をする必要があります。

そのため、相続人全員が参加して話し合いを行う「遺産分割協議」が重要となります。

協議がまとまった場合には、その内容を文書化した「遺産分割協議書」を作成し、全員が署名・押印することで、各種の相続手続き(銀行預金の解約や不動産の名義変更、相続税申告)が可能になります。

(2)遺言書の有無による協議の要否の違い

遺言書がある場合には原則として遺産分割協議の必要はありませんが、遺言書がない場合には、遺産分割協議を行う必要があります。

 

項目

遺言書あり

遺言書なし

分割方法

原則、遺言書のとおりに分割

相続人同士で遺産分割協議が必要

協議の要否

通常不要(一部例外あり)

原則必須

注意点

内容に不満があると家庭裁判所で争う可能性

遺産分割協議がまとまらなければ調停へ

 

ただし、遺言書がある場合であっても、遺言で遺産分割を禁止されておらず、遺言執行者が反対していなければ、法定相続人全員が合意することによって、遺産分割協議を行うことができます。これにより、遺言書の記載内容とは異なる内容によって遺産を分けることが可能です。

(3)法定相続人と協議の関係性とは

遺産分割協議は、すべての法定相続人が参加し、協議内容に同意をする必要があります。一人でも欠けた場合、協議は無効となり、再度全員の合意を取り直す必要が生じます。

2.「遺産分割協議」が必要になるケースと「遺産分割協議書」が求められるシーン

次に「遺産分割協議」が必要になるケースと「遺産分割協議書」が求められるシーンをそれぞれ解説します。

(1)「遺産分割協議」が必要になるケース

「遺産分割協議」が必要になる代表的なケースとして、次の2つがあります。

 

①相続人が複数いる場合

法定相続人が一人であれば協議は不要ですが、複数人いる場合には全員の合意が必須となります。兄弟姉妹など親族間でトラブルが起きやすいのもこの場面です。

 

②遺言書がない、または内容が曖昧な場合

遺言書が存在しない場合には、相続人同士で分割内容を定めなければなりません。


また、遺言書があっても「○○に感謝を込めて渡したい」など曖昧な表現の場合は協議が必要となります。


(2)「遺産分割協議書」が求められるシーン

不動産の名義変更や預金の払戻しなど、相続後の手続きを行うには正式な「遺産分割協議書」が必要となります。

 

「遺産分割協議書」の提出が求められる主なシーン

不動産(土地・建物など)の名義変更登記をする場合(法務局へ提出)

相続した銀行預金の払い戻し・解約をする場合(金融機関に提出)

株式や投資信託などの金融資産の名義変更を行う場合(証券会社等に提出)

被相続人が加入していた生命保険契約の手続きに必要な場合(保険会社によって異なる)

相続税の申告をする場合(税務署に提出)

相続財産を売却する際に、買主側から分割内容の証明を求められる場合


3.遺産分割協議の参加者の範囲と注意点

遺産分割協議には全ての法定相続人が参加する必要があります。ただし、「認知症の者や未成年者がいる」等の場合には、個別の対応が必要となります。

ここでは、遺産分割協議の参加者の範囲と注意点などを解説します。

(1)全ての法定相続人が参加すべき理由

協議は相続人全員の合意があって初めて成立するため、一部の相続人を除いて進めた協議は無効とされます。連絡が取れない相続人がいる場合には、家庭裁判所での調停が必要になることもあります。


(2)認知症や未成年者がいる場合の対応(成年後見人・特別代理人)

認知症の高齢者や未成年の子どもが相続人の場合、そのまま協議に参加することはできません。これらの場合には、家庭裁判所を通じて成年後見人や特別代理人を選任する必要があります。


(3)代襲相続人や離婚・再婚がある場合の対応

相続人がすでに亡くなっている場合は、その子どもが「代襲相続人」となります。

また、離婚・再婚がある場合には、前妻との子が相続人となる場合もあります。 そのため、法定相続人の範囲を正しく確認することが重要です。

4.遺産分割協議の進め方

続が発生してから、遺産分割協議書作成までの流れは、次のようになります。

 

SETP1:法定相続人・法定相続分の確認
SETP
2:相続財産の確定
SETP
3:財産目録を作成

SETP4:協議内容の話し合い

SETP5:遺産分割協議書の作成

SETP6:名義変更などの各種手続き

 

以下で、それぞれの詳細を確認します。



SETP1:法定相続人・法定相続分の確認

遺産分割協議を進めるため、誰が相続人であるのかを確定させる必要があります。そのため、まずは戸籍謄本を取得して法定相続人の範囲を確認します。

 

法定相続人が分かると、法定相続分も分かります。

配偶者がいない場合の法定相続分は単純で、相続人の数で均等割りするだけです。
一方で、配偶者がいる場合の法定相続分は少し複雑で、配偶者の相続割合は、下表の通り、相続人の組み合わせによって異なります。

 

血族相続人

血族相続人の相続割合

配偶者の相続割合

1/2

1/2

直系尊属

1/3

2/3

兄弟姉妹

1/4

3/4

 

 

SETP2:相続財産の確認

財産調査を行い、預貯金や不動産、負債も含めて洗い出します。

詳細は以下の記事をご参照ください。


№2.相続財産の調査と確定(預金・株式)をスムーズに進める方法


 

SETP3:財産目録の作成

相続財産が確定したら、財産目録を作成します。財産目録とは、相続財産のすべてを一覧表にしたものです。

財産目録の作成は法律で定められているわけではありませんが、時価や評価額を明記することで、話し合いをスムーズに進めることができます。

SETP4:協議内容の話し合い     

話し合う方法に決まりはありませんが、公平性や希望を考慮して分配内容を調整します。この際、各相続人の相続税や不動産取得税の観点も踏まえて判断することで、後々のトラブル回避につながります。

 

SETP5:遺産分割協議書の作成

相続後の手続きに必要な「遺産分割協議書」を作成します。

「遺産分割協議書」には相続人全員の署名・実印が必要となります。

 

詳細は以下の記事をご参照ください。

記事

 

 

SETP6:名義変更などの各種手続き

遺産分割協議書に基づき、預金口座の解約(名義変更)や不動産の登記変更などを行います。


5.トラブルを防ぐために協議の際に押さえておくべき注意点

ここでは、トラブルを防ぐために遺産分割協議の際に押さえておくべき注意点を5つ解説します。

(1)口約束だけで済ませない

協議がまとまっても、書面に残さなければ後から争いに発展する危険性があります。そのため、法的効力を持つ遺産分割協議書の作成は必須です。

(2)一部の相続人が不参加のまま協議した場合の無効リスク

遺産分割協議は相続人全員の合意があって初めて成立するため、一部の相続人が不参加のまま協議した場合には無効とされてしまいます。

「遠方の兄弟には連絡しなくてもいいだろう」は通用しません。一人でも抜ければ全体が無効になってしまうため、慎重な対応が求められます。


(3)感情的な部分も配慮する

分割にあたっては、金額だけでなく、感情的な部分も配慮して、「思い出の品」や「利用実態」も考えた遺産分割を行うことをおすすめします。


(4)専門家(行政書士や税理士)を間に入れて冷静に協議を行う

行政書士や税理士などの専門家(第三者)を間に入れることで、冷静に協議を行うことができます。


(5)相続税の節税を意識する

「誰が遺産を引き継ぐか」「どういう状態で引き継ぐか」で相続税は大きく変わります。具体的には、配偶者控除や小規模宅地等の特例などの制度を活用することができれば相続税の負担を抑えることができるため、相続税の節税を意識した遺産分割を行うことが重要です。

6.遺産分割協議書の書き方とひな形のポイント

法的に有効な遺産分割協議書に必要な要素は次の通りです。

 

✓相続人全員の氏名・住所

✓分割内容(財産ごとに具体的に明記)

✓日付と署名、実印の押印

✓印鑑証明書の添付(通常1通ずつ) 

 法務局や銀行などの手続きで印鑑証明書は提出が求められます。

 

遺産分割協議書の作成方法は以下の記事もご参照ください。

記事

7.こんなときは専門家への相談が必要

遺産分割協議がまとまらない場合には、家庭裁判所での遺産分割調停を利用することになりますが、弁護士を利用した方が有利に進められます。

ここでは、専門家への相談が必要な事項や費用相場を解説します。

(1)税理士・行政書士・司法書士・弁護士に相談すべき事項


税理士・行政書士・司法書士・弁護士に相談すべき事項は下表の通りです。


専門家

主なサポート内容

税理士

相続税申告、財産評価、節税アドバイス

行政書士

遺産分割協議書の作成

司法書士

不動産の名義変更、遺産分割協議書の作成

弁護士

トラブル対応、調停・訴訟の代理人

(2)専門家サービスの費用相場

専門家サービスの費用の目安は下表の通りです。


サービス内容

費用の目安

遺産分割協議書の作成

5万~20万円

相続税申告

30万~(遺産総額の1%ほど)

弁護士による調停代理

30万~60万円+成功報酬

 

初回相談が無料の専門家も多いため、早めの相談がトラブル防止だけでなく、費用の抑制にもつながります。

8.まとめ

以上今回の記事では、遺産分割協議に関して、「協議の目的」や「参加者の範囲」、「協議の進め方」、「注意点」等を網羅的に解説いたしました。

 

遺産分割協議は、相続人同士で「誰が何をどれだけ相続するか」を話し合い、合意のもとで財産を分け合う極めて重要な手続きです。遺言書がない場合はもちろん、あっても内容が曖昧な場合には、遺産分割協議を行うことが必要です。

協議が成立すれば、その内容を文書化した「遺産分割協議書」を作成し、不動産の名義変更や預金の払戻しなどの各種手続きに使用します。

 

ただし、遺産分割協議には全ての法定相続人の参加と合意が必要であり、1人でも欠ければ無効となってしまいます。認知症や未成年の相続人がいる場合には成年後見人や特別代理人の選任が必要になるなど、対応には慎重さが求められます。

 

また、話し合いを円滑に進めるためには、法定相続人の確認や相続財産の調査、財産目録の作成など、事前準備をしっかり行うことが欠かせません。感情的な対立を避け、公平性や税務面の配慮を含めた協議が大切です。

 

専門的な知識や判断が求められる場面では、行政書士や税理士、司法書士、弁護士などの専門家を適切に活用することで、トラブルを未然に防ぐことができます。

初回相談が無料の事務所も多いため、早期の相談を検討することが、安心・円満な相続への第一歩となります。

 

「江東相続あんしんサポートセンター」でも、初回相談は無料で行っておりますので、遺産分割に関してご相談をされたい方は、ページ下部から、フォーム入力やLINEでお気軽にお問合せください。

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江東相続あんしん手続きサポート

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電話番号:03-6824-7701

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